ノコギリのあれこれ

2020/07/21
刃物
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薪の切断でもなかなか体力を消耗するノコギリちゃん。ノコギリ自体の種類も刃の種類も豊富でこれをテキトーに選んでしまうとけっこう苦労する。自分のキャンプスタイルに最適なノコギリ選びをしてみよう。

概要

「ホームセンターの安いやつ」って聞くことが多くてあんまりノコギリを吟味してる人って見かけない。けど木を木目と直角に切るのはとっっても大変なのでせめて用途に合ったノコギリを選んぶようにしたい。
(まあキャンプでみかける人気のノコギリ使っとけば問題ないんだけどね…)

ちなみにキャンプで使うのを想定して書いてるからね。木工や大工などではまた違う感じだと思うので注意ね。

法律について

よくネットで「ノコギリは銃刀法じゃなくて軽犯罪法」ってのを見かけるけど、ノコギリも銃刀法で定められる刃物に該当します。
なので刃体が6cmを超えれば「刃体の長さが6センチメートルを超える刃物」として見られます。刃渡りじゃなくて刃体ね。

ノコギリの刃体が6cmを超えていれば「何人も、業務その他正当な理由による場合を除いては、これを携帯してはならない。」と定められていて、警官に「該当する仕事やキャンプなどの行き帰りの最中」と証明できる状態でないと違反となり懲役又は罰金になります。

注意しなきゃいけないのはキャンプ帰りだとしても「帰路から離れて遊んでる時」など別の行動をしていると正当な理由に該当しない場合があるらしく「刃物を携帯してる時はできる限り直行直帰して欲しい」とのことです。
2020年7月20日に警視庁 生活環境課 銃砲刀剣類対策係に直接聞いた情報です。

正当な理由に該当しない場合についての個人的見解は最後に書いておきます。

刃の形状

木は繊維状になっていて切る方向や太さによって刃のつき方が違い、用途にあったノコギリを使わないとただただ切りにくいだけなので注意ね。
大きい枝を切るようなノコギリは細い枝だと刃が踊って切りにくかったり、細い枝用は長さも短いので太い枝が切れなかったり。

引きノコ・押しノコ

引きノコ

引きノコは主に日本のノコギリで採用されてる形状のこと。引いて切るってやつですね。
厳密にはトルコなど他の国でも採用されてるけど、日本のノコギリは引いて切るって覚えておけば大丈夫。
軽い力で切れるので刃を薄くできる。

押しノコ

押しノコは主に欧米のノコギリで採用されてる、押して切る形状のノコギリ。
押す方向に刃がついてるから体重を乗せて切れる。力が掛かるから引きノコよりも太く作られている。

縦挽き/横挽き/茨目/万能目

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縦挽き

縦挽きは木目に沿って切るためのノコギリ。昔はガガリ目と呼んでいた。
キャンプでは主に斧とナイフの役目なので縦挽きを使うことは滅多に無い。
目の一つ一つがナイフの様な刃で繊維を切り裂いていくイメージ。

横挽き

横挽きは木目と直角に切るためのノコギリ。昔は江戸目と呼んでいた。
キャンプでは薪を短く切る時に使うことが多いので断然こっち。片刃のノコギリの大半は横挽き。
目が左右交互に付いていて2つの刃で繊維を切り取っていくイメージ。

茨目/万能目

茨目は斜挽きとも万能目とも呼ばれる木目を斜めに切るためのノコギリ。縦挽きと横挽きの両方の目がついてる刃。木屑をかき出しやすい構造になっているらしい。

アサリ

アサリとは刃が外側にはみ出している形状のノコギリのこと。刃幅よりも太く切ることによって刃と切断面が接触しないようになり引っかかりや抵抗が無く切りやすくなる。
木屑もかき出しやすくなるが、切断面にアサリ特有の横線が入ってしまう。
キャンプでは切断面の綺麗さは関係ないので積極的にアサリたい。

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シルキーというメーカーでは独自の構造で切れ味と切断面の綺麗さを実現しているらしい。詳しくはオフィシャルサイトを参考にしてみてね。

荒目/細目

たまに荒目とか細目とか書いてるのがあるけど、実はそんな規格はないらしい。一部で俗称的に使われているだけなんだとか。
キャンプで使うなら基本は荒目で、細目は工作などの細かい作業用だったり、細い枝も切りやすいよーと言う物らしい。
メーカーの説明を見ても細目は切れる物が多いくらいでそこまで違いがない。

細目|荒目 細目|荒目
細目|荒目

カーブ/曲刃鋸

刃の部分が円形に曲がっているカーブソーとか曲刃鋸とか言われるもの。
丸まっていることによって木に食い込むように刃が入っていくので切りやすいらしい。

Silky|サムライ Silky|サムライ
Silky|サムライ

ノコギリの形状

両刃鋸

両刃鋸は刃の両側に縦挽きと横挽きがついてるノコギリのこと。
基本は大工などで色々な方向に切る時に使う物。なのでキャンプ用に作られてるconifer coneのノコギリは横挽きと茨目になってる。

角利|conifer cone 角利|conifer cone
角利|conifer cone

折り込み鋸

キャンプで使うならこれ。折りたたみ式ってやつですね。刃が取替式になっていたり、刃の角度を変えられる物もある。
また携帯する物なので薄く軽く作っている物が多い。

角利|Friendly Swede 角利|Friendly Swede
角利|Friendly Swede

ワイヤーソー

ワイヤーソーと呼ばれるチェーンソーの刃だけのようなノコギリ。両端を持って交互に引いて切る。
携帯性はいいが疲れるし手が痛くなるので注意。
両端にロープをつけて延長して高枝切りに使っている人が多い。

primeexpress|Skyocean primeexpress|Skyocean
primeexpress|Skyocean

海外では足が抜けないもしもの時にも役に立つよっておふざけ動画もあったり。クレイジー。

その他

他の種類はキャンプでは使う機会がほぼ無いのでざっくりと。

竹挽鋸:竹用のノコギリ。竹は繊維が硬いから専用の物を使わないと刃を傷めちゃう。

釘挽鋸:飛び出たダボを切るように薄くしなり、切断面もキレイに切れるノコギリ。

両手鋸:左右に1人ずつ両手で持って2人で使うノコギリ。

糸鋸:曲線を切るためのノコギリ。

金切り鋸:金属やプラスチックを切るためのノコギリ

手曲鋸:丸太とか太い木材を切るのに使うノコギリ。ガングリップって呼ばれる物もあるらしい。

釘挽鋸|両手鋸|手曲鋸 釘挽鋸|両手鋸|手曲鋸 釘挽鋸|両手鋸|手曲鋸
釘挽鋸|両手鋸|手曲鋸

キャンプに向いているノコギリ

そんでもって一体全体キャンプに使うなら何がいいんだい?ってところね。
どんなキャンプかにも寄るけど、とりあえず以下の感じ。

  • 横挽き
  • アサリもしくはシルキーのアサリなし
  • 折り込み鋸

こんな感じかね?
薪をノコギリで縦に切ることは無いと思うので、横挽き
切り口の綺麗さよりも切りやすさが大事なのでアサリあり。シルキーは独自やつなので「アサリなし」って名称。
形状は折り込み鋸。もしくは折り込み鋸並にコンパクトなノコギリ。

刃渡りで言えば、市販の薪を切るなら200mm前後あれば大丈夫。200mm以下は切りやすさを捨てて収納性を選ぶ時(あと小枝しか切らない時など)。
市販の薪ではなくて山の倒木なんかを切る時は300mmくらいあると楽ちん。
ノコギリはあんまり大は小を兼ねないので気をつけてね。

ノコギリでの切り方

よく30度の角度でうんちゃらかんちゃらって聞きますが、キャンプで薪を切り分けるのは木工用の切断とは目的が違うのであまり気にしなくてもいいと思う。
もちろん使い慣れてる人は慣れた使い方が1番切りやすいと思うのでその使い方でOK。

その1:台に置く

キャンプでノコギリを使う時はココが1番重要かも。薪をしっかりホールドしないとノコと一緒に薪がブレてなかなか切れないので注意。
1番理想的なのは平らな場所で、切り落とす面が宙に浮くようにすること。何かに立て掛けて斜めにしたりして切り落とす面が固定されてるとノコギリを挟み込むように力がかかって切りにくくなるので注意ね。

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もし台になるものが無い時は使わない薪を支えにしてもOK。シーソーみたいな感じね。
ただ地面と近いので切り終わった時にノコギリを地面にぶつけて刃を傷めないように注意。

その2:固定する

薪が動きにくい時は足で踏んで、薪が転がるような時は手で押さえた方が切りやすい。
もちろん落とさない側を固定すること。

その3:切り口を作る

まずは軽く押すか引くかして切り口を付けてあげます。いきなり本切りしようとするとノコギリが右に左に踊っちゃうので軽く1回切り口を付けて、それから切り口からズレないように注意しながらノコギリを軽く数回引いて切り口を深くする。

その3:本切り

ノコギリが薪に数ミリ入り込んだらここから本切り。ノコギリのお尻の方を持って力を入れずに引いて切っていく。
力を使わないための引きノコなので薪を支えてる方の手に力を入れて、ノコギリを引くのに力はいりません(多少いるけど)。軽い力で切るには慣れとかノコギリの性能も関係するからなかなか難しい。
刃の頭からお尻まで全て使って切るように大きく動かしましょう。

その4:折る

硬さや太さにもよるのでどの程度切るかは薪次第だけど、ノコギリが薪に半分以上入ったらキットカットの様にポキッと折ってしまうのも楽。
両端を手で持って膝を視点に切り口が開く方に力を入れてポキっとしてもいいし、薪が斜めになるように何かに立て掛けて踏んづけてもOK。
折るとささくれが出来る場合があるので怪我に注意ね。

備考

ノコギリで薪を切るのは基本的には大変な作業です。建物にも使われていて車に突進されても折れないような頑丈な物を人力で切ろうとしてるんです。そりゃ大変よ。
「全然切れないー」って言いながら普通に切れてる人も見かけるから根気よく切りましょう。

ノコギリの手入れ

目立てと言われる研磨や、普段のキレイキレイについて。

普段の手入れ

水分と木クズをしっかり取っていれば早々錆びたりしないので(環境にも左右されるけど)使ったら必ず拭き掃除をすること。
シルキーから木のヤニ汚れを溶かして落とすヤニクリーンや、錆止めのアイアンガードなんてのも出てるからそれ使っても良いかも。
個人的には汚れをエアダスターやタオルで拭き取るだけで、定期メンテナンス的な意味でたまに556をタオルに吹いて刃を磨いて防錆しとります。
防錆剤は付けすぎ注意ね。

錆びないように防錆紙で包むって聞くこともあるけど折り込み鋸では別に無くてもいいかなって思う。長期保管するなら包んでもいいかもしれないけど最近のはそんな錆びない。

錆びたら

錆が発生したらサンドペーパーでしごけばOK。
まずは研ぐ場所に潤滑油を塗って、400~600番のサンドペーパーで研ぐだけ。研磨傷を取るのが面倒だから600番くらいでやることが多い。
錆が深い時はロウを塗り込めば錆が広がりにくくなるのでオススメ。
錆をある程度だけ研いだら、ロウソクのロウをゴシゴシ広い範囲に塗り込んで、最後に余分なロウを取ってお終い。

目立て

ナイフで言う研ぐってやつですね。
注意しなきゃいけないのは替刃式のノコギリや焼入れされてる刃のノコギリは目立てNG。刃が硬くヤスリの方が負けてしまうので基本的には刃の交換になります。

やり方としては単純で、刃を1本1本目立てヤスリで研ぐだけ。
万力などでノコギリを固定して、潤滑油をヤスリと刃に塗ってから刃の前後を2~3回研いで、上目がついていればそこも研ぐ。
アサリはちょっとやったこと無いので職人に聞いておくんなまし…。

法律について(正当な理由に該当しない場合)

最初の法律の項で出てきた「キャンプの帰りだとしても正当な理由に該当しない場合」ってので個人的見解。
警視庁の担当の方と話した時に完全に「該当しない」とは言い切らなかったので、場所・時間・行動・容姿・服装や持ってる刃物や本数など総合的に見て怪しいとか危険とみなされたら該当しなくなるのかな?と思った。
深夜に治安が悪い場所にいるとか、見るからにチンピラとか、通報されて職質された時とか、キャンプの行き帰りに寄らないような場所にいるとか、不必要に多く持ってるとか。
なので怪しまれないシチュエーションでキャンプ帰りに遠回りして道の駅に寄るとか、知り合いの家を訪れるとかなら大丈夫なのかな?なんて思ったり。
※あくまでも個人的見解です。

あと僕が刃渡り50cm全長1.1mのシルキーカタナボーイ500を持ってて、それに関しても色々大丈夫か聞いてみたけど、「おぉ…」って言いながら「どんな大きさであれ正当な理由であれば大丈夫」ってお墨付きをもらいました。
ただ「こうなら大丈夫とは言い切れないので正当な理由かどうか心配なら携帯しないのが1番です」とも言われたので、見た目のイカツイ刃物を携帯する時は要注意。
正当な理由は法律と照らし合わせて警察に判断してもらうことよりも、刃物の持ち主が警察に証明することの方が大事なんだなって印象。

あとよく見るのが「うっかり車から降ろすの忘れてただけなのに」ね。
「うっかりブレーキとアクセル踏み間違えた」と一緒で言い訳以外の何物でもないので無意味です。
管理すら出来ないなら殺傷能力のある物なんて持たない方がいい。

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