[Tschum] 焚き火台 Fire Bowl Lowimpact レビュー
ドイツのキャンプメーカーTschumがこさえた焚き火台Fire Bowl Lowimpactをレビュー。グーテンモルゲン!
概要
厚手のステンレスプレートを使用したファイヤーボール。
熱膨張に耐える為に1枚のプレート厚を2mm、耐熱・耐酸性に強いステンレススチールを採用。
3枚から6枚のプレートを組み合わせることで焚火やバーベキュー、ダッジオーブンや暖炉など様々なサイズ用途に使用が可能。
プレート1枚当たり約310g、総量は1,880gとかなり使いがいのある仕様のアイテム。引用元:http://thrive-japan.jp/tschum.html
モデル | サイズ(1枚) mm | サイズ(6枚) mm | 重量(1枚) | 重量(6枚) | 素材 | 価格 |
---|---|---|---|---|---|---|
Regular | 225 x 125 x 2 | 340 x 115 | 310g | 1880g | SUS316Ti | ¥18,480 |
Large | 290 x 250 x 2 | 500 x 170 | 668g | 4010g | SUS316Ti | ¥29,700 |
X-Large | 375 x 330 x 2 | 670 x 220 | 1168g | 7010g | SUS316Ti | ¥55,000 |
商品の説明はこんな感じ。
正規代理店から購入できるのはレギュラーサイズのみでラージやエクストララージは並行輸入のみ。アマゾンなどを見ると並行輸入品でも「10年保証」と謳ってたりするけどコピペしただけで保証してくれない臭がプンプンするので保証を期待する方は注意。気になる人は販売店に聞いてみましょう。
以前、個人輸入しようとTschumに直接問い合わせてしたけど「ダメ。ダイリテン カラ カッテ。ソレカ ユニュウシテルクニ ケイユシテ カッテ。」って言われて断念しました…
Tschumとは
読みはチャン。正規代理店のメーカー説明はこちら。
ドイツ北部のバードザルツウフレンと言う街でスタートしたテントメーカー。 ブランド名の由来はシベリア地方の古い言葉で“住居”を意味しており、火に強いテントが求められている声にこたえるようにスタートした。 2016年にスタートしたばかりのブランドだが、以前よりテントメーカーのドイツのディストリビューターを務めていた経験を生かし、 ユーザーに併せた仕様をオーダーメイドで生産している。引用元:http://thrive-japan.jp/tschum.html
2016年に出来たばかりの新しいメーカーですがテントはけっこう人気。海外のブッシュクラフターも使っていたりしていて、ワールドワイドなネットサーフィンをしてるとよく見かけます。
テントと焚き火台だけじゃなく薪ストーブや小物も売ってたりしますが、並行輸入品ですら見かけないので欲しい人は根気よく探すか購入代行を利用しましょう。
この動画の人がオーナー。実にドイツ人っぽい顔してる。
似てる焚き火台
似てる焚き火台としては何枚かのプレートを組み合わせるお椀みたいな焚き火台が当てはまります。
広い範囲で見ればスノーピークの焚き火台も似てると個人的には思ってる。
- 八王子工材のFP500
- ANCAMのFIRE WHIRL
- asimocraftsのtakibi_no_asi
- FENNEKのHEXAGON
モデル | サイズ mm | 重量 | 素材 | 価格 |
---|---|---|---|---|
Tschum Regular | 340 x 340 x 115 | 1880g | SUS316Ti | ¥18,480 |
FP500 | 517 x 496 x 245 | 4200g | ステンレス | ¥33,000 |
FIRE WHIRL S | 260 x 260 x 165 | 1300g | SUS304 | ¥21,600 |
takibi_no_asi | 250 x 250 x 200 | 3400g | ステンレス | ¥34,800 |
HEXAGON | 500 x 335 x 300 | 3990g | ステンレス | €68.90 |
こうやって比較してみるとどれも似たような感じなので大きさを抜けば見た目で選んでもいいかも。
違いとしてはTschumはプレートが6枚ですが、日本のガレージブランドが出している類似焚き火台は5枚組なことくらい。
ただし類似焚き火台はオプション豊富なのに対してTschumは皆無。
ウィンドスクリーンの流用
ピッタリフィットではないですがasimocraftsのasi_circle短というウィンドスクリーンが流用できるんだとか。
ポジティブレビュー
辛辣なことを言うと、メリットとデメリットが表裏一体でポジティブな面がそんなにない焚き火台です。
ですが「こういう焚き火台です」というのをいくつかご紹介します。
耐久性がある
類似焚き火台と比べるとプレートの厚みが2mmと厚めなので普通に使用していたら壊れたり消耗することはまず無いと思います。
たとえ踏んだとしてもそうそう歪まなそうな頑丈さがあります。
ただしその分重い。
まぁコンパクト系の焚き火台と比べるとたしかに重いですが、火床を消耗品としてる”コンパクト命の焚き火台”と違って耐久性は比べ物にならないくらいあります。
素材も普通のステンレスと違いチタンを配合したSUS316Tiという金属なので腐食することもまず無いと思います。
収納がコンパクト
プレート組み合わせ型なので収納時はB5の袋に収納できるくらいコンパクトになる。
ただしコンパクトな焚き火台の中ではだいぶ重くて厚い。
直火感覚を味わえる
背が低く地面が近いので直火に近い感覚で焚き火を楽しめます。
ブッシュクラフトのようにリフレクターを作ったりなんかもできますし、地面を掘って格納してしまえばパッと見は完全に直火になります。
ただし地面が近いので場所によってはスタッパシートが必要だったり芝生に注意しなきゃいけなかったりする。
また地べたスタイルかロータイプのチェアでないと低くて使いにくい。
シンプルデザイン
見た目がシンプルってのはすごく好き。
日本のガレージブランドあるある(だと思ってる)の柄っぽい空気孔だとか。「なにその焚き火台」って言われたいだけの突拍子もないデザインだとか、そんなんじゃあないシンプルなデザイン。
実にドイツらしい質実剛健なデザインで、メルセデス・BMW・Audiに通ずる物を感じます。
まとめ
ポジティブな面が無いのになんで使ってるの?と聞かれたら「好きだから欠点すら愛おしい」って答えしか無いくらい使いにくい焚き火台です。
ただ欠点を凌駕するほど惚れさせてくれる焚き火台でもあります。
ネガティブレビュー
ネガティブ面はてんこ盛り。
大きさ
レギュラーサイズのお話
ソロキャンプには丁度いい大きさですが、市販の薪だと半分に切らないと収まりきらないのでノコギリ作業が結構大変です。
長いままでも焚き火台に乗せる感覚で使えますが、燃やし方によっては高確率で焚き火台の外に落ちてしまうので監視が必要だったり都度回収が必要です。
また深さも浅いので、焚き火台の上部に薪がはみ出て料理もしにくいです。なので料理をするには高さのあるスタンドタイプの五徳がないととてもやりにくいです。
薪を五徳代わりに使うことも出来ますが、常時火に当てておく鍋物するには不向きなので「肉を焼く」くらいにしか向きません。
オプション品がない
一応Tschumから地面に刺すタイプの専用グリルが出てますが、代理店が取り扱っていない上に個人輸入も大変なので実質買えないに等しい商品です。
以前はスタンドタイプの五徳やDODのゴトクを使っていましたが、Tschumのグリルに似た焚き火ハンガー見つけたので今はこちらを使用しています。
焚き火台の大きさ関係なく、高さ・向き・長さが自由稼働なので料理の火力調整もしやすくなってとっても便利。
100均の足つきの網もぴったりフィットしますが使ったことないので使用感は未知数。
強度的に心配なのもありますが、重厚感のあるTschumに100均のか細い網を乗せるのが個人的に好きじゃないので…(高級車に安いタイヤ履かせるみたいな感覚)
可変デザイン
組み合わせるプレートの枚数によって形を変える可変焚き火台…。
みなさんも感じていると思いますが、全く使いません。もし使い分けてる方がいるとしたらレアパターン。
ただでさえ使い分けないのに3枚4枚は組めると知らなきゃ組まないくらい無理やり引っ掛ける感じで組みにくいので余計使わない。
考えられる使い分けとしては登山用に3~4枚、キャンプで5~6枚といった具合。
一応5枚だと深さが出て燃やしやすく長い薪も入れやすく(立て掛けやすく)なるので私は5枚組で使用しています。
6枚にこだわりがない人は5枚の方が断然使いやすいので5枚がオススメです。
昔は余った1枚を鉄板代わりに使ったりもしてました。(使いにくい)
酸欠型焚き火台
この写真が証拠ですが、火床にすぐ熾や灰が溜まるので酸欠になりやすいです。
火吹き棒でフーフー吹いてる思い出がたくさん作れます。
熾火好きには楽しめる焚き火台ではあります。
100均の網杓子を分解して土台を作って使ったりしましたが目に見える効果は…??
すぐズレるし。
その他諸々
プレートを組み合わせたらピンで固定するのですが、気をつけてないとそのピンをすぐ無くしちゃうんです。
地面に置いたら最後、草にも石にも紛れてすぐ無くす。着けよう外そうとしてピンッと跳ねて飛んでいって無くす。
代用品はいくらでもあるのでいいんですが…
結局Tschumってどうなのよ
散々ネガティブ面ばかり説明しましたが、一目惚れしたなら買ったほうが良いです。
Tschumは惚れた人を裏切りません。
逆に便利な焚き火台や人気の焚き火台が欲しい方には1ミリもオススメしません。
スペックは焚き火台比較ツールで色んな焚き火台と比較してみましょう。
組み立て動画
何度も組み立て動画見せたけど自分でも撮ってみたから見てみてちょ。
なけなしの焚き火動画も後半にあるよ。
もう1機の愛焚き火台のFENNEK Hexagonのレビューは下記記事を参照してください。