メインビジュアル

ナイフのグラインド(刃付け)

  • 作成日
  • 編集日2026-05-18

フラットグラインド・スカンジグラインド・コンベックス・ホロー・チゼル(片刃)など、刃の断面形状の種類とバトニング・切れ味への影響を解説。

背景用画像
  1. URL COPY
  2. Line
  3. X
  4. hatena
  5. Pintarest
  6. Facebook
  7. Pocket

プライマリベベル

挿入画像
ブレードの断面形状を決定する、刃付けの基本となる主要な研削面。

この記事で紹介しているフラットグラインドやスカンジグラインドなど、グラインドの種類はすべてプライマリベベルの形状の違いを指します。プライマリベベルのみで刃付けされたナイフはセカンドベベルがなく、研ぎに技術と時間が必要な反面、最大の鋭さを引き出すことができます。

セカンドベベル / マイクロベベル / 小刃

挿入画像
プライマリベベルの刃先部分に、さらに角度をつけて追加された小さな研削面。

刃先の強度を高め、刃こぼれしにくくする効果があります。多くの量産ナイフはセカンドベベルを持ち、プライマリベベル全体を研ぎ直さなくてもセカンドベベル部分だけを研ぐことでメンテナンスできるのもメリットです。

糸刃

挿入画像
セカンドベベルよりもさらに微細な、刃先最先端のごくわずかな研削面。

日本の刃物では伝統的な仕上げ技術として用いられており、刃先の欠けを防ぎながら鋭い切れ味を長持ちさせる効果があります。セカンドベベルよりも角度・幅ともに非常に小さく、ルーペで確認できる程度の微細な面です。和包丁を研いだ後の仕上げとして施されることが多い技術です。

フラットグラインド / セイバーグラインド / 平研ぎ

挿入画像
ブレード中間からエッジ(刃)に向けて断面が平らになるグラインド。

刃先のコントロールがしやすく食材カットに向いているのが特徴。切れ味・強度・研ぎやすさのバランスが良い汎用タイプで、食材を切る・木を削る・皮を剥ぐなど幅広い用途に対応します。

フルフラットグラインド

挿入画像
フラットグラインドの一種で、スパイン(峰)から刃先まで断面全体が一枚の平面になるグラインド。

包丁に近い断面構造で刃厚が最も薄くなるタイプなので、食材への切れ込みとスライス性能に優れています。

刃が薄い分、バトニングのような強い負荷には向きませんが、切れ味を重視した料理用途やフィールドでの精密な作業に適しています。高品質なフォールディングナイフやシースナイフに多く採用されています。

スカンジグラインド / スカンジナビアングラインド

挿入画像
ブレード中間から刃先に向けて平らになる、セカンダリベベルのない鋭角なグラインド。

刃先が鋭角なことで厚みもあり耐久性が高いため、バトニング(薪割り)や枝払いにも適しています。

北欧のプーッコをはじめ、モーラナイフなどブッシュクラフト系ナイフの定番グラインドです。スカンジグリップ(刃の面を素材に当ててコントロールする持ち方)との相性が非常によく、フェザースティック作りや木の細工に向いています

コンベックスグラインド / 蛤刃 / ハマグリ刃

挿入画像
断面が外側に向けて膨らむ(凸状)グラインド。

刃の強度が高くバトニングや薪割りに向いているのが特徴で、エッジが欠けにくく安心して使えるためバトニング初心者にもおすすめのグラインドです。

デメリットとしては、切れ込みの鋭さがホローグラインドに劣り、湾曲しているので研ぎにコツが必要なこと。

ホローグラインド / 中空研ぎ / 凹研ぎ

挿入画像
断面が内側に向けてくぼむ(凹状)グラインド。

刃先が非常に薄くなるため切れ込みが鋭く、食材の薄切りや皮引きに優れるのが特徴。

薄い刃先は鋭い切れ味と引き換えに欠けやすく強度は低め。バトニングや力のかかる作業には向かず、細かいスライス作業に特化して使うのが向いています。ブッシュクラフトで使われるクラフト用の斧にも採用されています。

チゼルグラインド / 片刃

挿入画像
片面はフラット、もう片面にのみ刃角をつけた片刃のグラインド。

日本の和包丁(出刃・柳刃など)や鉈・大工道具に代表される伝統的なグラインドで、切り離しのよさと薄切り性能に優れています。

刃先が鋭角でありながら刃肉に十分な厚みがあるため、厚くて固いものを割る・削る用途にも向いています。
刃の平面側(裏)が食材から離れやすいため、魚の皮引きや細工物の精密な切り出しにも適しています。
右利き用・左利き用で形状が左右非対称になるため、購入時に利き手の確認が必要です。アウトドアナイフへの採用例はマキリナイフなど少なく、主に調理・木工系のナイフに見られる形状です。