[Coleman] コールマン スポーツスターⅡ 508A レビュー
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ホワイトガソリンを使用するワンバーナーの定番!耐久力もあるのにシンプルな構造で分解整備も簡単楽ちん。これぞ一生モノのキャンプギア!
概要
気温の変化、寒冷地に強いホワイトガソリン燃料式定番のワンバーナーストーブ。
このストーブのルーツは1941年、第2次世界大戦用に開発された伝説のGIストーブだ。
この時軍から提示されたオーダーは、約-51℃から+52℃の環境下でもあらゆる燃料が使用でき、1ℓ弱のミルクボトルよりもさらに小さくという過酷なもの。
しかし2ヶ月後に収められた製品は、スペックを全て満たし重さわずか3.5ポンド・「ジープとGIストーブっこそ、第2次世界大戦で生まれた最も重要なものである」という賛辞まであったのだ。引用元:https://ec.coleman.co.jp/
●火力:最高時約2,125kcal/h
●燃料タンク容量:約520cc
●燃焼時間:約1.5~3時間
●本体サイズ:約φ14×14(h)cm
●重量:約960g
●付属品:プラスチックケース
●使用ジェネレーター:Model 400B2891


商品の説明はこんな感じ。
コールマンのネットショップでは個数制限があって品切れしてることが多いので小売店やアマゾンとかで買うのが懸命。
ホワイトガソリンを使用するシングルバーナーで煮炊きや暖房としても使える物。本体と燃料の他にフューエルファネルかガソリンフィラーIIが必要。


コールマンのワンバーナーの中に、508Aと形が一緒で無鉛ガソリンの通常使用が可能とされている533(デュアルフューエル)もあるけど、508Aも普通に無鉛ガソリンが使えたりする(ジェネレーターの劣化が早まるらしいので自己責任)
ちなみになんでワンバーナー(シングルバーナー)って言うかというと、二口になっているツーバーナーストーブがあるから。


使い方
コールマンの説明をそのまま引用。
燃料を入れる
- ① 燃料レバーを「OFF」にする
- ② 燃料キャップを外し、燃料ををタンクに注入する


ポンピングする
- ① ポンピングノブを左に2回展させる。
- ② 親指で穴を押さえ、ポンピングが固くなるまで25~30回以上ポンピングする。
- ③ ノブを押し込んで右に止まるまで回す。


点火
- ① 先の長いライター等の火をバーナー部に近づけてから、燃料レバーを左に回して点火する
- ② 点火直後さらにポンピングする。


火力調整と消化
- ① 燃料レバーを左右に回して火力を調整する。
- ② 燃料レバーを右に止まるまで回して、消化する。


コツとしてはポンピングに妥協しない、ライター点火はおっかなびっくりするので注意、火力は調整できないと思え。こんな感じ
フューエルファネルの使い方
給油時に中身が見えないので、ガソリンを入れすぎて溢れないように工夫されてるんです。だからその特性を理解して使わないと漏れるので注意。
ちなみにファネルを使うと理想の空燃比の2:8になるように給油できます。
給油手順
- ファネルの口が長い方を外側にして給油口にしっかり差し込む。
- 缶の注ぎ口が下になるようにするか、缶を横向きにしてゆっくり燃料を入れる。
- タンク内への流入が止まりファネル内に燃料が溜まるようになったら給油をやめる。
- ファネルを抜こうとするとファネル内のガソリンがタンクに入っていくので、ガソリンの量を確認しながら回転させつつ少しずつゆっくり引き抜く。
注意点としてはガソリンをゆっくり入れることと、ファネルを引き抜く時にファネル内のガソリンが全て入ったように見えてもフィルターより下にガソリンが溜まっている事があるので最後までゆっくり引き抜くこと。
燃料を入れる時に缶の注ぎ口を下にしてしまうと酸素の逃げ道が無くてゴポゴポしてしまい溢れることがあるので、注ぎ口を上にするか缶を横向きにして入れることでスムーズに入れられます。
あとフューエルファネルの黒いチューブとフィルターは掃除ができるようにするために引っこ抜くことができます。
チューブは普通に引けば取れて、その後に差し込み口の方から細い棒などでフィルターを推してやるとフィルターも取れる感じ。



構造
構造的には黒いチューブが空気の逃げ道になってて、タンク内のガソリンがチューブまで届くと空気の逃げ道が無くなりガソリンがファネル内に溜まるって感じ。
そんでファネルを抜こうとするとファンネル内のガソリンがタンク内に入っていくってことね。
黒いチューブより上にガソリンを入れるとこの構造が機能しなくなるのでガソリンは黒いチューブより下までにすること。


ガソリンストーブとガスバーナーの違い
コールマンのスポーツスターⅡとの比較というよりも、ガソリンストーブとガスバーナー違い。
ざっとこんな感じ。
ガソリンストーブ | ガスバーナーの違い | |
---|---|---|
耐冷 | ◎ | × |
耐熱 | 〇 | × |
耐風 | 〇 | △ |
耐久性 | ◎ | △ |
火力調整 | × | 〇 |
収納 | × | △~○ |
手間 | × | ◎ |
燃料入手 | △ | 〇 |
燃費 | △ | △ |
耐冷
これが1番の利点かな?冬キャンプだとどうしてもガスバーナーは外で使えなくなること多いけど、ガソリンストーブなら氷点下でも余裕のよっちゃん。
ガスバーナーでも対策すれば大丈夫なんだろうけど、山登るわけでもない普通の河川敷でもガスバーナーで火力が出ないーって人よく遭遇する。
耐熱
これも冬キャンプでだけど暖房としてガソリンストーブ用(コールマン製)のヒーターアタッチメントをガスバーナーに使うと輻射熱がすごくてガス缶が熱を持って危険ってやつね。
ガソリンストーブは熱を持ってもガス缶よりかは大丈夫だから暖房器具として使いやすい。
耐風
比べたことがないから知らんけど風に強いのもガソリンストーブらしい。
確かにガスバーナーが「火」だとしたら、ガソリンストーブは「炎」って感じの見た目してる。
ただ数値的なスペックではガソリンストーブが2100kcal/h前後に対してガスバーナーは2500kcal/h以上とガスバーナーの勝ちっぽいけど、ガスの種類や気候にもよると思うから何とも言えない。LPガスには負けちゃうかな?
耐久性
これは抜群にガソリンストーブの勝ち。ガスバーナーは点火ボタンが壊れるってよく聞くけど、ガソリンストーブは耐久性が優れてる上に壊れてもパーツ販売をしてて修理して使い続けることも可能。
火力調整
ガソリンストーブの物にもよるけどだいたいが火力の調整なんて微々たるもの。
燃料レバーが左から右まで動くけど、最小は真下を向いてる時だから少しでも左を向いてる時は消化モードなのをお忘れなく。
よく中火~強火しか使えないって言われるけど強火~超強火ともとれるような火力。
収納
これは燃料の量にもよるから何とも言えないけど、バーナー自体の大きさは何倍もあるし、燃料も携帯缶を別途買わない限り1ℓ缶でCB缶2.5個分くらいの大きさになる。
それにOD感とかだとスタッキングできたりするしね。
重さは抜群にガソリンストーブの方が重いです。
手間
これも10対0でガスバーナーの勝ち。ポンピングは最初だけって言うけど点火前後で4~50回はポンピングするし、暖房として使うなら定期的なポンピングも必要。
燃料入手
ホワイトガソリンの入手はアウトドア用品店でもない限り購入できないのは不便。無鉛ガソリンも使えるけど車から抜くのは大変だし、ガソリンスタンドで入れてもらうには有人のスタンドで携帯缶なんかが無いと入れてもらえない。
無鉛ガソリンを入れる準備さえできてればガスバーナーより入手しやすいかも。
燃費
バーナー・燃料・使い方・気温なんかにもよるから何とも言えないけど、ガソリンストーブの方が燃費がいいって言ってる人の方が多いイメージ。言うても数十円~百円程度の違いかと。
なんか次に書くメリット・デメリットも説明しちゃったな。
メリット
上で書いたメリットは省きます。
他のガソリンストーブよりもスペックがいい
現行モデルだけあって廃盤になっているガソリンストーブよりもスペック的には優れてます。
ただ優れてると言っても火力が強いわけじゃなく、燃料タンクが大きくて燃焼時間が長いってくらいだからコンパクトな物を求めてる人には不向きかも。
あと533(デュアルフューエル)が常時無鉛ガソリンが使えるのに対して508Aは非常時のみって点では劣ってる。
無鉛ガソリンも灯油も使える
一応メーカー的には非常時には無鉛ガソリンが使えるって言ってるけど普通に使えます。ただし噂ではジェネレーターの劣化を早めるらしい。
そこで冒頭で説明した無鉛ガソリンに対応してる533(デュアルフューエル)用のジェネレーターに交換することで508Aでも劣化を抑えながら使用するが可能になる。
508Aと533のジェネレーターを比較しても違いがわからないけど品番違うし肉厚とかが違うのかも?


使ったこと無いけど灯油(ケロシン)も使えるそうな。ジェネレーターをトーチで30秒以上温めるプレヒートが必要なの以外はガソリンの時と一緒。
そのままでも使えるけど火力を安定させるにはバナーリングの増設が必要らしい。バナーリングを増やすとジェネレーターとゴトクが干渉するのでどちらかを曲げる加工も必要で、ジェネレーターが手で簡単に曲げれるのでそっちを曲げる人が多いっぽい。ただ火力調整も難しくなるとか??
所有欲を満たしてくれる
持ってる人の多くは寒冷地でも使えるとかそういうメリットよりもやっぱり所有欲だと思う。
軍物好きもヴィンテージ好きも納得のいく逸品。
デメリット
上でも書いたデメリットは省きます。
ガソリンがこぼれやすい
給油時にけっこうこぼれることがある。注意してれば大丈夫だけど油断したらすぐこぼれちゃう。
量的には問題ないけどやっぱりガソリンがこぼれるってのは避けたい。
噂ではガソリンフィラーIIはけっこう漏れるらしい。噛み合せが悪いのかな?買うならフューエルファネルがオススメ。
メンテが必要
好きな人にはメリットだけど分解・洗浄・交換ができる人じゃないと調子が悪くなったら買い換える羽目に。
ちなみに分解・洗浄は至って簡単。ネジを外せて物を丁寧に扱える人なら誰でもできます。
アタッチメント・関連商品
508Aに使えるアタッチメントや関連商品の紹介。
コールマン製品は専用品が少なく汎用的に使えることが多いので、他のガソリンストーブやガソリンランタンにも使える物が多い。
遠赤ヒーターアタッチメント

508Aに乗っけて温めることで遠赤外線を放出するヒーターになるやつ。
ガスバーナーで使用するとバーナーやガス缶が熱で危険になるほどの熱量があるとか。508Aでもそのまま使うと燃料レバーが操作できないくらの輻射熱を喰らいます。
普通のストーブやら薪ストーブ使ってる人には物足りないけどヒーターアタッチメントの分野では群を抜いて優秀と聞く。
ヒーターアタッチメントを付けたままでもちょっとした料理や湯沸かしなら全然可能。だけど使い込むと熱で上部が湾曲してグラグラするので注意。
個人的にノーススターの天井に乗せて食べ物の保温として使うこともある。保温言うても冷めにくいってだけで温度維持は難しいけど。
あとゴトクと溝が合わないって意見もちらほら見るけど、ちょっと力込めてはめ込む必要あり。鉄のこすれる音が耳障り。
ニューウインドスクリーン

風除けってやつですね。あと輻射熱の反射板としても優秀で熱が下に逃げないので料理や暖房の効果アップも望める品。
ウインドスクリーンの面積分、多少の蓄熱効果もアップする。効果は薄いがヒーターアタッチメントとの相性は抜群。
スーパーポンピング

ポンプの穴を塞ぐ必要が無くなるのとポンピングが楽になる品。
ポンピングが面倒に感じる人や使用頻度が高くてポンピングする回数が多い人にオススメ。
「ポンピングが楽になる」とだけ言うと言葉足らずなくらい恩賜を受けれる。一度使うと手放せなくなるらしい。
リュブリカント

コールマン製品用の潤滑オイルね。5-56的なやつ。ポンピングの感触が悪い時に使うと動きがスムースになる。
ポンピングの感触も良くなるけど、中のゴム製品(ポンプカップ)の寿命を伸ばす効果もある。
緊急時はオリーブオイルやサラダ油でも代用可能だけど固着する可能性もあるので後々掃除をしたり自己責任で。あと100均などのミシン油でも代用可能とか。
個人的にはゴム製品にも付着する物なので純正のリュブリカント使ってます。1回で数滴しか使わないから使い切るのに年単位で必要だしね。
あとキャップは閉まることを知らずに漏れることがあるので注意。漏れる量は少ないけど他の物に付くと不快感がすごい。
2レバージェネレーター

400Aや508(508A兄弟)のガソリンストーブに使われてるツーレバーのジェネレーター。調整レバーが増えて細かい火力調整が可能になるやつね。
火力調整用と言うよりも浪漫品。
絶版なのか品薄なのかわからないけど20,000円くらいする。
圧力ゲージ

ランタンなんかにも使える内圧をゲージで出してくれるやつ。燃料キャップと付け替えるだけ。
コールマンの説明では「使用時に○回ポンピング」ってあるけど、中の燃料の量によってポンピング回数がかわるからそこらへんをキッチリカッチリしたい人におすすめ。
これも浪漫品ね。ポンピングの無駄を減らすと言うよりもメーターとかゲージとかかっこいいじゃん。
年式の調べ方
年式は底に刻印されてます。

向かって右が製造年で左が製造月で、真ん中にはコールマンの文字と製造地。
写真は2004年03月製造でWICHITA KANSAS USA(アメリカ カンザス州 ウィチタ)って書いてあります。
故障原因
よくある故障の原因としてはジェネレーターの詰まりかポンプカップなどのゴムの劣化で、症状としてはガスが漏れるか圧がかからないかのどちらか。どちらも消耗品交換で修理可能。
放置された古い物だとタンク内などそこかしこが錆びたりもしてるので錆取りも必要。
ジェネレーターの詰まり
ジェネレーターの詰まりの診断方法としては、ポンピングして加圧してから燃料レバーをONにしてもシューシューとガスが出てる音がしない時。
もしくはジェネレーターの根本付近からガスが漏れ出てる時。この場合はゴムパッキンの劣化の可能性もあるので注意が必要。
修理方法はジェネレーター内を通るクリーニングロッドを出し入れして詰まりを解消してあげたり、ジェネレーター内をキャブクリーナーで洗浄したりすると直ることがあります。致命傷の場合は部品交換。
症状としては着火はするが火力が上がらない場合や、着火しても火がすぐに消えるようになって徐々に着火できなくなっていったらジェネレーターを疑っていいと思います。
「詰まってガスが出ない=着火できない、火が消える」って感じ。
ゴムの劣化
ポンピングがキツキツになったり、ポンピングしても加圧できない場合はポンププランジャーのポンプカップの劣化。
修理方法はこのゴム部分を交換するだけ。
燃料レバー付近にライターを近づけた時にガスが漏れているようであればレバーのOリングの劣化。
これも修理方法はOリングを交換するだけ。サイズはP規格と言われる線径φ1.9mm x 内径φ4.8mmの物。あわよくば耐燃料の素材の物がいいけど普通のでも普通に使えるって声も聞く。
よく専用品っぽく1,000円近い値段で売ってたりするけど物は変わらないのでホームセンターとかの30円くらいの物で大丈夫。
故障箇所の見つけ方
まず第一に加圧できてるか。これはポンピングした後に燃料キャップを外してプシューと力強く空気が抜ける音がすればOK。空気の抜けが弱い場合はポンプカップの劣化を疑ってもいいかも。
次に燃料(ガス)がどこまで来てるかの確認で、運が良ければガスが吹き出してくる場所があるのでそこが原因。吹き出してこない場合は、燃料レバーをONにして燃料レバー→ジェネレーター→バナーリングとライターを当ててみて、どこからもガスが出てこない場合はジェネレーター。ライターの火がガスで揺らいだりする場合は該当箇所の故障。こんな感じ。
というか分解するの簡単だから全バラしてゴムの劣化や各所の詰まりを確認しなさい。
長年放置していた物であれば全てバラしてゴム部品の交換。ゴムの見た目が大丈夫でも動いてなかった物が稼働しだすと必ずどこか壊れるため二度手間や出先での故障を避けるためも交換するのがオススメ。
あとはタンク内にガソリンを少し入れて、ガソリンがタンク内に満遍なく触れるように振ってからガソリンを抜いてみてゴミやサビが混じってるかの確認。ゴミやサビが多い場合は水やガソリンを入れて振って出しての繰り返しをして不純物が出なくなるまで繰り返す。
水を使った場合はヒートガンなどを使って中を完全に乾燥させること。中は入り組んでるので自然乾燥はできないと思ってよし。
あとはバーナーボックスにある燃料溜め材も劣化しているか確認。
分解の仕方
508Aの分解に必要な工具はプラスドライバーとモンキーレンチとペンチだけ。
コールマン製品のナットはインチ規格で普通のレンチじゃ経が合わないのでスーパーレンチなるものが売ってるけどモンキーレンチで十分。モンキーレンチが大きくて使えないって時は150mm~200mmくらいのが3~400円で売ってるのでそれでOK。
分解手順
- 燃料レバーをOFFにする
- 燃料キャップを開けて圧縮を抜く
- ガソリンを抜く
- ジェネレーター末節の固定金具を外してから、根本のジャムナットを外す
- ジェネレーターを持ち上げてクリーニングロッドを外してからジェネレーターを抜き取る
- ゴトクを取ってからバナーリングを外し、バーナーボックスを外す
- 燃料レバーを外してからバルブを外す
- ポンププランジャーを外す
ざっくりとこんな感じ。
どこをどう外すかは下記の動画を参考にしておくれ。
注意点
1番注意が必要なのはジェネレーター。簡単に曲がる物なので曲げすぎたり踏んで変形させるに注意するのと、中のクリーニングロッドを無理やり詰め込んで折ったりしないこと。
あとリュブリカントも忘れずに。