ファーストエイドキットの揃え方
- 作成日
- 編集日2024-07-05
キャンプだけでなく野営やブッシュクラフトも想定したファーストエイドキットの揃え方を解説。
概要
怪我や病気の対処に使用する携帯用救急キットのファーストエイドキット。
キャンプでは虫刺され・切り傷・火傷などの怪我はもちろん、パラコードに引っかかって転んだりと怪我の元に囲まれた状態です。
症状温和の為はもちろん、痛みや違和感をずっと感じているとキャンプが楽しめなくなるので、痛みや違和感を消してキャンプを楽しむ為のアイテムと思って揃えておきましょう。
ファーストエイドキットの中身の揃え方
ファーストエイドキットの中身は人や行動によってそれぞれですが、揃え方としては自作とキットの2つがあります。
「とりあえず」という方はキット販売されている物でも大丈夫ですが、キットを軸に自作ファーストエイドキットに変更していくと使いやすくなります。
もう一つ大切なのは「自分が使う物」ではなく「自分に使う物」として用意すること。
誰でも「探さずに即座に使える」のも想定しておきましょう。
詳しくは「注意事項」の項で書いています。
既製品のファーストエイドキット
既製品のファーストエイドキットでも致命的な中身の違いはそんなにないので自由に選んでもいいですが、選ぶ基準としてはメディカルポーチの違いで選びましょう。
中身は使用に伴い自ずと変わっていきますが、メディカルポーチを買い替えることは稀なので下記「必需品」にあるメディカルポーチの項目を参考に選んでみましょう。
自作ファーストエイドキット
ファーストエイドキットを自作する際の選び方は下記「 必需品」と「あると便利 」の項目に詳しく書いてあります。
ファーストエイドキットを自作する時は自分に合わせた物とシチュエーションに合わせた物の2つを基準に選びましょう。
持病など自分の症状に合わせた物や使用頻度の高い物などの自分に合わせた物。
行く場所で想定できる怪我や虫被害などのシチュエーションに合わせた物。
無闇矢鱈に中身を決めるのではなく、この2つを基準に選ぶと「使いやすく場所も取らない」理にかなった自作ファーストエイドキットが作れます。
ファーストエイドキットの注意事項
「ファーストエイドキットは必ず必要」という意見はそこかしこで見かけますが、ファーストエイドキットの用途として注意すべき点があるので、こちらも守るようにしましょう。
他人が見てもわかるようにする
上記でも書きましたが、ファーストエイドキットは、「自分が使う物」ではなく「自分に使う物」でもあるので、自分の意識がない状態でも他人が使えるようにして「ファーストエイドキットが無いから応急処置せずに救急車が来るまでこのまま待とう」とならないようにしておきましょう。
項目としては以下の4つ。
- カバンの外に取り付ける
- メディカルポーチに赤十字マークを付ける
- 中身は区分けする
- 薬の説明書を同封する
キャンプは収納用の入れ物がたくさんあるので、しらみつぶしにまさぐる必要がないように人目につく場所に取り付けて、赤十字マークを見せることで誰でもメディカルポーチとわかるようにしておきましょう。
またメディカルポーチとわかっても中がグチャグチャでは元も子もないので、適当なポーチではなく専用のメディカルポーチで区分けすることで使いやすくしておくのも忘れずに。
キャンプで意識を失うような自体は稀だとは思いますが、周りに周知されているだけで使用する機会は抜群に増えます。安心感の為ではなく、必要な時に使用できる為に持ちましょう。
山歩きをする場合
オートキャンプではなくブッシュクラフトや野営などで山を歩く場合は、鞄などに付けずに身に着けるようにするのも大切です。
崖から落ちた・川に流された・動物と対峙したなど、何かあった時に真っ先に手放すものは鞄になるので身に着けておくことで万一の場合でも応急処置が可能になります。
自作ファーストエイドキットの必需品
中身を自作してもこれだけは必ず入れておきましょうのやつ。
よく使う物と流用性の高いものを揃えてみました。
常備薬
頭痛薬や痛み止めなど自分が必要としているお薬類。
ピルケースに入れる時は1回何錠なのかもわかるようにして、何の薬かもわかるようにしておきましょう。
メディカルポーチ
入れ物は何でもいいやって人も多いですが、上記でも書いた通りケースも専用の物を使いましょう。
大事なのは区分けできて赤十字マークがあること。
あとは基本性能として備わっている物が多いですが耐水性・耐摩擦性も考慮しておきましょう。
メディカルポーチの大きさは小さすぎなければ大丈夫ですが、硬い素材でサイズが固定のものではなく、内容物により大きさが変わる布製の物がオススメです。
ミリタリー物
ミリタリー物はいろいろな方法で外付けができて、メディカルポーチを開けても中身を出さずに全ての区分けにアクセスできるのでオススメです。
また中をゴムバンドで連結している物であれば止血帯の代用としても使えます。
絆創膏
定番中の定番の絆創膏。ちなみに火傷した時の保湿にも使えます。
キャンプは稼働が多く絆創膏が剥がれやすい上に、野外にいるので少し剥がれたところに汚れがくっついて衛生的でもないしそのまま剥がれることも多いので防水の絆創膏にしましょう。
もし防水じゃない絆創膏しか無い時は使い捨ての手袋などで防水対策しておくと外れるのを防げます。
オススメはハイドロコロイド製剤と言う自己治癒を早くする製法で作られているキズパワーパッド。
収納時に場所を取る物ではないので普通サイズと大きいサイズの2種類揃えておくと便利です。
軟膏
虫刺されなどのかぶれや火傷には軟膏。
適量を塗った後に患部をガーゼや絆創膏で保護すると効果てきめん。
夏場はローションタイプ、冬場はクリームがオススメされてますがキャンプではクリームタイプが1つあれば大丈夫かと思います。
ちなみに軟膏は5段階の強さに別れていて、市販されている軟膏は「ウィーク」「マイルド」「ストロング」の3種類です。
なので1番強い「ストロング」の軟膏を買っておきましょう。
それと副作用として皮膚の免疫力が低下したり、目元には使えないなど使用上の制限があるので注意事項は必読です。
オススメはフルコート。
私はキンキンに熱されている焚き火台を持ち上げて火傷した時に、フルコートを使用したら数十分で痛みが消えてそのまま収束するほど効果がありました。個人的感想です
軟膏とワセリンの違いについては後述しています。
商品リンク消毒液
切り傷や擦り傷の消毒に使う消毒液。マキロンが万能でオススメですが、収納面を考慮してコンパクトにしたい場合は消毒綿もオススメです。
ただ消毒綿で調べると除菌用のアルコール消毒系(赤ちゃんや注射前に使うやつ)が多く出てきますが、そういう物は傷口に使えないので傷口に使うる消毒綿を購入しましょう。
消毒液と言うと化膿させないためと認識しがちですが、痛みも和らげるので是非持っておきましょう。
商品リンクガーゼ
ガーゼは水拭き・消毒・傷口の保護など何かと使えて、場所も取らないので是非1枚入れておきましょう。
傷口の保護にはハイドロコロイドというキズパワーパッドのような商品の方がオススメですが、消毒や拭き物には使えないのでガーゼはガーゼで用意しておくと便利です。
買ったまま入れるのではなく、切り取ってジッパー付きの袋などに小分けして持ち運ぶと場所も取らずに済むのでオススメ。
サージカルテープ
サージカルテープも何かと使える万能係。
包帯やガーゼを止めたり、剥がれかけた絆創膏を止めたりと重宝するアイテム。
ガーゼと供に流用の幅が広いので入れておきましょう。
ピンセット
キャンプでは薪のささくれが刺さったりすることが多く、ピンセットでしか出来ないことも多いので是非持っておきたい一品。
いろんな形状のピンセットがありますが曲がってない平たいタイプがオススメです。
ポイズンリムーバー
虫刺され部の血を吸い抜いて毒液や毒針を抽出する道具。
普通の蚊に刺された時にも効き、ブヨやムカデや蜂なんかの刺されにも効く万能器具です。
作りはチープですが命の危機をを助けることもあり半永久的に使えるので必ず装備しておきましょう。
小学生でも使えるほど簡単なのに体に有害なものを吸い取るという薬よりも効果的な事ができるので使う使わないでは全然違います。
商品の数も多いですが見た目の違いくらいで基本的にはどれも同じです。
商品リンク自作ファーストエイドキットのあると便利な物
シチュエーションによって使い分けていいような子たち。
無くていい物ではなく、シチュエーションによっては必需品ではない物です。
包帯・三角巾
必需品に入れようか迷った子たち。登山や野営なんかする人には必需品ですがキャンプ場では使う機会は稀かと思い必需品から降格。
大きな切り傷や骨折・捻挫などした時に使う物で、最悪Tシャツやガーゼなどで代用ができる。
斧やナイフの扱いに慣れていない方は持ち歩くようにしましょう。
商品リンク止血帯
出血が酷い時に締め付けて血を止める止血帯。こちらも代用できる物が多く使う機会も少ないので必需品から降格。
ゴムバンドやパラコードで代用できます。
ワセリン
軟膏があれば十分ですが、あったらあったで便利な子。
肌の弱い人はなんでもかんでも軟膏を塗りたくるのではなく、症状によってワセリンと使い分けるのがオススメ。
ワセリンにも黄色ワセリン・白色ワセリン・プロペト・サンホワイトの種類がある。(不純物が多い順)
ワセリンと呼ぶ物は白色ワセリンを指してることが多い。
ヴァセリンの40Gなんかは小さくてまさにファーストエイドキットに入れるためと言わんばかりの小ささ。
ちなみに「ヴァセリン」は商品名で、黄色ワセリンに分類されていて医療用ではなく化粧品として売られています。
もう一つちなむとワセリンの成分は石油由来で蝋と似ているので火口に塗って火持ちをよくさせるのにも使える。
軟膏とワセリンの違いについては後述。
商品リンクリップクリーム
キャンプは焚き火や料理やで火の近くにいることが多く唇の水分を盗まれやすいのでリップクリームもオススメ。
特に冬キャンプは乾燥に次ぐ乾燥でカサカサになりやすいのであると嬉しい。
使い捨て手袋
ビニールやゴムなんかで出来てる手袋。
指を切った時の防水・血液散布の防止や、他人の血液に触れるときなどに使える一品。
場所を取るものでもないので何枚か忍ばせておきましょう。
ゴム製の手袋は滑り防止で使い勝手もいいのでオススメです。
商品リンクハサミ
包帯やテーピングに衣類を切る時に使うハサミ。医療用の物は先端が丸くなっていて肌に触れてしまっても痛くない仕様になってます。
ただしこれも代用できる物が多いので必需品から降格。
キャンプで使う刃物は衛生的ではないので、ファーストエイドキット用のハサミは是非欲しいですが使用頻度はかなり低め。
爪切り
キャンプでは指先を怪我することも多く爪も割れやすいので、爪切りが1個あると重宝します。爪が割れてる時の不快感は舐めちゃいけません。
収納に便利なコンパクトな物がオススメ。
冷却シート・ホッカイロ
季節毎に冷却シートやホッカイロもあると便利です。
他の医療品と比べると気休め程度ですが、体調不良になった時はその気休め効果がすごい大事になります。
正露丸
食あたりなんかに効く胃腸薬の正露丸。
夜にお肉を焼いた時に焼き加減が見えずに生肉を食べちゃう人なんかは必需品。
正露丸は匂いが最強に強いので気になる人は密閉できる瓶などに収納すること。
ピルケースだと匂いの漏れがひどくてカバンの中が正露丸になります。経験済み
ちなみにセイロガン糖衣Aは匂いが無いタイプで、正露丸の匂いが気になる人はこっちがオススメ。
成分も多少違いますが匂いのアリナシで判断していいらしいです。
軟膏とワセリンの違い
軟膏やワセリンはランク分けされてるのでランクに寄って効果が違うので一概には言えませんが、大きな違いで言うとワセリンは皮膚の水分が蒸発するのを防ぐもので、軟膏は皮膚の水分保持をするものらしいです。
それと軟膏には薬理成分が含まれています。
ちなみにランクは高くなるほど効果は高くなりますが副作用が強くなったり使用箇所が限られるなどのデメリットもあります。
よくわからない人はワセリンを薬用にしたのが軟膏という認識でも大丈夫です。