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焚き火の後始末

  • 作成日
  • 編集日2024-07-05

焚き火後のゴミの処理方法や埋め方・埋める場所などを解説。

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概要

焚き火をする中でこれが人として1番大事なやつ。てのは綺麗事だけど、熟練になるほど後始末を完璧にしたいがために焚き火をするくらいの心持ちになる人も多く、初心者が火熾しにワクワクするのと同じ感覚で焚き火の後始末にもワクワクしてます。
[ Leave No Trace - 痕跡を残すな ]ってやつですね。

いろんな所で「薪は全て白い灰になるまで燃やせ」って口酸っぱく言われるけど普通にやってたら無理というか現実的ではないので、個人的には全て燃やしきるのは100点満点中の150点くらいの感覚でいていいと思います。個人的には。
もちろん頑張れば燃やし切れるけど帰宅という時間制限がある中だと狙ってやっても難しいので。
でも燃やし切るのは現実的じゃないってスタンスでいながらも、極力燃やし尽くせるように計算しながら焚き火をするのがプロフェッショナル。

よく「炭を残すのは言語道断だ!環境配慮のない奴め!キーキー」ってキツく言う人が多いけど、”吠えるだけでどうやって燃やし切るのか説明してない人”の言うことには耳を傾けてはいけないし気にしちゃいけない。
ただし残った炭や焚き火跡を放置するのは言語道断。

薪を燃やしきる方法

この方法を実践しても燃やし切るのは難しいけど、基本的に薪を燃やし切るには燃え尽きるまで延々と待つ人為的に酸素を送ってやるのどちらか。

燃え尽きるまで待つ

薪の量にもよるけど白い灰までって考えると燃えきるまでに2時間、余裕を持って3時間は見てもいいと思います。こっからどんだけ時短できるかが勝負。
消えかけの焚き火に2~3時間付きっきりも苦行なので、基本的には放置しながら下記で記してる燃やし切るコツを実践しながら時短していきましょう。

人為的に酸素を送ってやる

炭を相手に火吹きしても一時しのぎにすぎないですが、火を上げる薪が残っている場合は要所要所で火が上がるように酸素を送ってあげましょう。

酸欠気味の焚き火台を使ってる場合はこれが大事になります。

燃やし切るコツ

薪を早く燃やし切るコツはこんな感じ。

  • 少しずつ焚べる
  • 細かく割り砕く
  • バラけさせる

少しずつ焚べる

これはそのままで、残った薪を一気に投入せずに1本2本と少量ずつ燃やすこと。
大量に入れると最初は火力も高くなって良く燃えそうに見えるけど、熾や炭状態になった時に一斉に失速してしまいます。じっくりコトコト燃えていくイメージ。
逆に少しずつ入れていけば初弾の薪が失速した時に、次弾の火力で初弾を燃やし尽くせるので火力を保ったままスムーズに燃やしきれます。

細かく割り砕く

これは2つの方法あって、1つは燃えている炭を細かく砕く方法。炭を割ることによって酸素に触れる面積が増えて全体的に火力が行き渡って早く消化できるという理屈。
やり方としてはトングでガンガン叩いてあげればいいんだけど火の粉や灰が散ったりするから注意。

もう1つは、入れる薪を細かく割ってから入れる方法。これも原理は一緒で着火面積が増えて早く消化できるし、上記の砕くの過程もいくらか省略できる。
コツとしては短くするより薄くすると炭としての生存時間を減らせます。

また炭にならないような焚付程度の小枝を入れることで、炭を増やさずに残った炭の火力を上げて消化することもできます。

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朝は活力も少なく撤収作業もあり、いちいち薪割りをするのは重労働なので、薪が余るとわかっている場合は事前に余った薪を割っておくのもオススメです。
でも夜にバトニングだなんだはうるさいのでフェザースティックの練習程度で済ませておきましょう。

バラけさせる

こちらも上記と似た感じで炭をバラけさせて炭1個1個が酸素に触れるようにしてあげる方法。細かい炭を山盛りにしないで平坦に並べる感じ。
ただしこの方法は消火方法でもあり、一歩間違えると火力を落としかねないので注意。
炭を離しすぎると熱量が分散して逆に火力が下がるので少し密着させるのがミソ。「熱量の結合」を意識するとわかりやすいと思います。

その他

炭は灰に埋まっていると種火として残ってしまうので灰に埋まらないようにしましょう。
炭が灰に埋まるほどじゃなければ基本的に大丈夫ですが、暇な時に炭が白い灰を纏っていたら火吹き棒で飛ばしてあげましょう。
囲炉裏の火を絶やさないテクニックで、「寝る前に炭に灰を被せておくと種火として残るので翌朝すぐに火熾しできる」って方法でもあるくらい灰をまとってるとなかなか消えません。

あとは燃焼効率の良い二次燃焼構造のウッドストーブなんかに入れ替えて、焚き付け用くらいの細い枝を入れながら燃やし切る方法もあります。が、灰が溜まりやすいから慣れないと余計時間かかったりする。

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キャンプで薪を燃やし切るのは現実的ではないけど、残す炭は最小限に抑えるように考えながら焚き火をしよう。
結局残った炭はどうするのって疑問は下記を参照してください。

キャンプ場で残った薪・炭の後始末

キャンプ場ではそれぞれルールがあると思うのでそのルールに従いましょう。
僕の恩師も「ルールの範疇では自由、ルールから外れたら勝手」って言ってました。自由なキャンプのためにルールを守りましょ。

キャンプ場で"余り薪"の処理

薪がそのまま残ってしまった場合は、キャンプ場に回収してもらう方法周りの人にプレゼントする方法があります。
個人的にはたかが数百円ですし新しく来た人など周りの人にあげちゃいます。薪をまだ買っていないであろう設営中の人が狙い目。

キャンプ場に回収してもらってもまず返金されませんが、1束丸々残っていたり大量に残っている場合はキャンプ場や管理人の優しや度合いで返金してくれることもあるかも?

キャンプ場で"余り炭"の処理

キャンプ場では炭や灰を捨てる灰捨て場があるはずなので、残った炭は必ずそこに捨てるようにしましょう。
もし灰捨て場が無い場合は、火消し壷なんかで持ち帰るのが義務。
火消し壷を持ってない時はキャンプ場の人に相談してみましょう。みんな優しいよ。

ちなみに100均でも売ってるオイルポットが火消し壺の代用としても使えなくはない。(すごい熱を持つので注意)

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こんなやつ
火消し壷がなくキャンプ場でも回収してもらえない場合でも、残った炭はしっかりと冷やしてから燃えるゴミとして持ち帰りましょう。

野営地で残った薪・炭の後始末

野営地でも基本的にはキャンプ場と同じで、火消し壷や燃えるゴミとして持ち帰りましょう。
土に埋めて処理する方法もありますが、無闇矢鱈にやっていいことではないので気をつけてください。

野営地で"余り薪"の処理

野営地だからと言って薪となる木をそこらに捨てていてはプロではないので、次に来た人に使ってもらえるような場所の隅っこに置いておきましょう。
野営地でもテントを張る場所はある程度決まっていたりするので、見つけやすい置き場の目安になると思います。

注意点としては自然の景観を損なわないように気をつけましょう。
どうのように?と言うと場所によりけりなので一概には言えませんが、「人為的に捨てられたと見られないように」や「薪を置いといてくれたと思われるように」を意識するといいかも。

野営地で"余り炭"の処理

炭の場合はキャンプ場と一緒で、基本的には火消し壷や燃えるゴミとして持ち帰りましょう。
土に埋める方法もありますが、上記の薪を燃やしきる方法を実践していれば多少ゴミが増える程度なので不都合は無いはずです。

燃やしきれなかった大きな物がある場合は、上記の薪と一緒に置いて次の人に使ってもらいましょう。
焦げた薪が視認できるのは"自然の景観を損なう"ので、きれいな薪で覆うようにして視認できないようにしておきましょう。もちろん隠すほど薪がない場合は新たに薪拾いをして必ず隠すこと。

土に埋めて処理する方法

とは言っても土に埋める場合もあると思うので、注意点を踏まえて説明しておきます。手順としてはこんな感じ

  • 穴を掘る
  • 火種を入れる
  • 水をかける
  • かき混ぜる
  • 埋める
  • 踏み固める
  • カモフラージュする

穴を掘る

まず残った炭や種火を埋めるための穴を掘ります。炭を埋めた状態で5cm~10cmの深さが余ればOK。
注意点としては川の側には埋めないこと。大雨が降って洪水被害にあっても掘り返されないような場所に穴を掘りましょう。

火種を入れる

残った炭や種火を穴に入れますが、焦げた薪と言っても過言ではないような燃えきっていない大きい物はしっかりと燃やすか、次に来た人が薪拾いの時に拾いやすい場所に置いておきましょう。

水をかける・かき混ぜる

ジャバジャバとかけちゃいましょう。火種は意外としぶといので根気よく。
水をかけたらちゃんと火が消えるようにかき混ぜながら炭を細かく砕きましょう。

埋める・踏み固める

きちんと熱が取れたら上から土を被せて埋めて、埋めた後はしっかりと踏み固めましょう。知らない人が踏んでズボーーなんてことにならないようにね。

カモフラージュする

これ以外とやらない人もいるんだけど、掘った埋めたをすると他の地面との差異が生まれるので、落ち葉や小石を撒いたりして埋めた場所がどこかわからなくしておきましょう。
もちろん散った白い灰があれば足で蹴り散らすくらいでもいいので灰も見えなくするように。

Youtube置いておきます。

ポイント

炭を埋める場所は所詮あって、「色んな場所に埋めないように焚き火した場所に埋める」とか「掘り返されないような隅に埋める」とか。
個人的には色んな所にランダムで炭が埋められてるより1箇所に埋まってた方がいいと思うので焚き火した場所に埋める派ですが、場所によっては隅に埋めた方がいい時もあるしTPOですね。
焚き火した場所に埋める時は次来た人に「ここで焚き火したよー」ってわかるように、かまどにして焦げた石を側に置いておくといい感じ。

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「炭は自然に帰らないから埋めるな!」って意見もあると思うけど、どこかの学者さんが「炭なんて石と成分変わらないし料理の油とかが着いてれば栄養素になるから一概に自然に悪いとも言い切れない」とどこかで見ました。
あと木炭には土壌改良の効果もあったりします。徳島県立農林水産総合技術支援センター森林林業研究所の資料なんかも参考になるよ。
ただ環境に悪くないから埋めていいって訳でもないので、TPOに合わせて持ち帰ることも必要だし、どっちの意見も正義だと思います。

焚き火台での後始末

焚き火台の時の注意点は、焚き火台に直接水をかけて消火しないこと。
物によっては大丈夫かもしれないけど、大抵の焚き火台は水を掛けると急激に冷やされたことによって歪んだりしちゃうので注意。
組み立て式の焚き火台、それもコンパクトな物だと歪みで組み立てられないってこともありえるからね。

もし水をかけるくらい早く消火したい時は火種を1度地面に置いて水をかけるか、火消し壺などを持ち歩くようにしましょう。
直火NGならアルミホイルを敷いた上に火種を置いて水をかければOK。地面が汚れたら綺麗にすること。

最後に

放置された焚き火後を見かけたらSNSで愚痴る"他人への怒り"ではなく、その燃えカスを自分の焚き火で燃やす"地球への優しさ"で生きていきましょう。