焚き火の後始末

焚き火後のゴミの処理方法や埋め方・埋める場所などを解説。
概要
焚き火の後始末。焚き火をする中でこれが1番人として大事で、後始末を完璧にしたいがために焚き火をするくらいの心持ちにならないとダメね。Leave No Trace [痕跡を残すな] ってやつですね。
いろんな所で薪は全て白い灰になるまで燃やせって言われるけど多分普通にやってたら無理というか現実的ではないんで、個人的には全て燃やしきるのは100点満点中の120点くらいの感覚でいていいと思う。個人的には。
もちろん全然燃やしきれるけど、灰を残すのは言語道断だってキツく言う割に誰もどうやって燃やし切るのか説明しないじゃん。
燃やし切るのは現実的じゃないってスタンスでいながらも極力燃やし尽くせるように計算しながら焚き火をするのがプロフェッショナル。
薪を燃やしきる方法
普通にやってたら無理って言った側から薪を燃やしきる方法を説明しちゃうマン。
基本的に薪を燃やし切るには燃え尽きるまで延々と待つか人為的に酸素を送ってやるのどちらかかな。
燃やし切るコツ
薪を早く燃やし切るコツは何個かあって、こんな感じ。
- 少しずつ焚べる
- 細かく割り砕く
- バラけさせる
「少しずつ焚べる」って言うのはそのままで、残った薪を一気に投入せずに1本2本ずつ燃やすこと。
大量に入れると最初は火力も高くなって良く燃えそうに見えるけど熾や炭状態になった時に一斉に失速してしまいます。じっくりコトコト燃えていくイメージ。
逆に少しずつ入れていけば、初弾の薪が失速した時に次弾の火力で初弾を燃やし尽くせるのでスムーズに燃やしきれます。
「細かく割り砕く」ってのは燃やしてる薪を細かくして酸素に触れる面積を増やしてあげる方法。薪を燃えやすいように割ったり切ったりするのと同じね。
不可能に近いけど熾にならないくらいペラペラにスライスしてあげればキレイに燃やし尽くせると思うよ。
トングでガンガン叩いてあげればいいんだけど火の粉や灰が散ったりするから注意。
「バラけさせる」ってのは炭をバラけさせて各炭が酸素に触れるようにしてあげること。
ただこれは消火方法でもあるので、大きい薪で行うといつまでたっても燃えないので注意。
細かい熾を山盛りにしないで平坦に並べるってイメージ。直火の場合は火床を広げるのもあり。
あと灰に埋まっていると1晩だって種火として残ることもあるので灰に埋まらないようにしましょう。
定期的にフーフー吹いて灰を飛ばしてあげればOK。
囲炉裏では寝る前に種火に灰を被せてを翌朝すぐに火が着くようにするくらいなんで、灰をまとってるとなかなか消えません。
燃え尽きるまで待つ
白い灰までって考えると燃えきるまでに2時間、余裕を持って3時間は見てもいいと思います。こっからどんだけ時短できるかが勝負。
消えかけの焚き火に2~3時間付きっきりってのも苦行だから基本的には放置だけどたまに酸素を送ったりかき混ぜたりしてあげると時短になるよ。
朝焚火とかコンロやシングルバーナーなんかを持っていかない人は燃やし切るなんて現実的ではないのですよ。
翌日に焚き火をしない人は寝る前に炭を割り砕いて広げて寝れば燃え尽きてることもある。(吸気効率が悪い形だと無理かも)
人為的に酸素を送ってやる
これはもうネイビーシールズ並みの肺活量が必要になってくるやつ。酸欠になって倒れるまでただただ火吹き棒で吹くだけ簡単ね。閻魔様によろしく伝えといてください。
その他
あとは燃焼効率の良い二次燃焼構造のウッドストーブなんかに入れ替えて、焚き付け用くらいの細い枝を入れながら燃やし切る方法もあるけど灰が溜まりやすいから慣れないと余計時間かかったりする。


キャンプで薪を燃やし切るのは現実的じゃないけど、残す炭は最小限に抑えるように考えながら焚き火をしよう。
キャンプ場での後始末
キャンプ場なんかでは炭や灰を捨てる灰捨て場があるはずなので、残った炭は必ずそこに捨てるようにしましょう。
あとはキャンプ場によってルールがあると思うので、そのルールに従うこと。
僕の恩師も「ルールの範疇では自由、ルールから外れたら勝手」って言ってました。自由でいるためにルールを守りましょ。
もし灰捨て場が無くても地面に埋めていいってことではないので、火消し壷なんかで持ち帰るのがイケメンの所作。火消し壷を持ってない時はキャンプ場の人に相談してみましょう。みんな優しいよ。
ちなみに100均でも売ってるオイルポットが火消し壺の代用としても使えるからね。(熱持つので注意)

野営地での後始末
野営地でも火消し壺なんかで持ち帰る方がいいけど、土に埋めて処理する方法もありけり。
手順としてはこんな感じ
- 穴を掘る
- 火種を入れる
- 水をかける
- かき混ぜる
- 埋める
- 踏み固める
- カモフラージュする
穴を掘る
まず残った炭や種火を埋めるための穴を掘ります。炭を埋めた状態で5cm~10cmの深さが余ればOK。
注意点としては川の側には埋めないこと。大雨が降って洪水被害にあっても掘り返されないような場所に穴を掘りましょう。
火種を入れる
残った炭や種火を穴に入れるんだけど、焦げた薪と言っても過言ではないような大きい物はしっかりと燃やすか、次に来た人が薪拾いの時に拾いやすい場所に置いておきましょう。
この時ただポツンと置いておくと”放置”になってしまうので、軽く薪拾いをして一緒に置いておくことで「使ってください」というのが伝わると思います。
水をかける・かき混ぜる
ジャバジャバとかけちゃいましょう。意外としぶといので根気よく。
水をかけたらちゃんと火が消えるようにかき混ぜながら炭を細かく砕きましょう。
埋める・踏み固める
きちんと熱が取れたら上から土を被せて埋めて、埋めた後はしっかりと踏み固めましょう。知らない人が踏んでズボーーなんてことにならないようにね。
カモフラージュする
これ以外とやらない人もいるんだけど、掘った埋めたをすると他の地面との差異が生まれるので、落ち葉や小石を撒いたりして埋めた場所がどこかわからなくしておきましょう。
もちろん散った白い灰があれば足で蹴り散らすくらいでもいいので灰も見えなくするように。
Youtube置いておきます。
ポイント
炭を埋める場所は所詮あって、「色んな場所に埋めないように焚き火した場所に埋める」とか「掘り返されないような隅に埋める」とか。
個人的には色んな所にランダムで炭が埋められてるより1箇所に埋まってた方がいいと思うから焚き火した場所に埋める派なんだけど、場所によっては隅に埋めた方がいい時もあるしTPOですね。
焚き火した場所に埋める時は次来た人に「ここで焚き火したよー」ってわかるように、かまどにして焦げた石を側に置いておくといい感じ。

炭は自然に帰らないから埋めるな!って意見もあると思うけど、どこかの学者さんが「炭なんて石と成分変わらないし料理の油とかが着いてれば栄養素になるから一概に自然に悪いとも言い切れない」って言ってたよ。
あと木炭には土壌改良の効果もあったりするのよ。徳島県立農林水産総合技術支援センター森林林業研究所の資料なんかも参考になるよ。
ただ環境に悪くないから埋めていいって訳でもないので、TPOに合わせて持ち帰ることも必要だし、どっちの意見も正義だと思うよ。
焚き火台での後始末
焚き火台の時の注意点は、水をかけて消火しないこと。
物によっては大丈夫かもしれないけど、大抵の焚き火台は水を掛けると急激に冷やされたことによって歪んだりしちゃうので。
組み立て式の焚き火台、それもコンパクトな物だと歪みで組み立てられないってこともありえるからね。
もし水をかけるくらい早く消火したい時は火種を1度地面に置いて水をかけるか、火消し壺などを持ち歩くようにしましょう。
直火NGならアルミホイルを敷いた上に火種を置いて水をかければOK。
最後に
放置された焚き火後を見かけたら"SNSで怒りを露わにする"んじゃなくて、その燃えカスを自分の焚き火で燃やすくらい"地球への優しさ"で生きていきましょう。